ミュラーレポートが公表され、スティール文書の欺瞞が暴かれ始めた
ついに、大手メディアのニューヨークタイムズまでもが、スティール文書の闇を追求する記事を書き始めました。
本日はスティール文書について解説したいと思います。
元記事はこちら
https://www.nytimes.com/2019/04/19/us/politics/steele-dossier-mueller-report.html
抄訳はじめ
前略
2017年1月までに、FBIの捜査員はスティール氏の主要な情報源の一人を追い詰め尋問した。元ソ連出身であるロシア人の証言者は西側で時を過ごしていた。司法省の文書と、匿名を条件に話しをしてくれたこの事件に詳しい三人の人物によると、この情報源の人物に彼がどこからその情報を得たか尋問した後、捜査官たちは彼が彼の情報現から手渡された報告書に彼自身の解釈を挿入したのではないかと疑ったとのことである。そのため、FBIは何に信頼を置くべきか判断することが不可能になったという。
中略
2017年夏までに、ミュラー氏が捜査に全力を上げる中で、FBIは未だにこの文書に信頼を置きかねていた。しばしば主張されていたものの一つである、コーヘン氏がプラハを訪れていたという主張は嘘であることが判明した。コーヘン氏の入出金記録やCIAが外国の諜報機関に紹介し情報によると、コーヘン氏がプラハを訪れていたことを示す情報は何ら見出されなかった。
中略
モスクワで働いていた元CIAのダニエル・ホフマンは、自分はこの文書のことをロシアによって捏造されたものだと長いこと疑っていたと述べた。彼が言うには、この文書の目的は、米国民を分断し、真実と嘘の境界を曖昧にすることだという。
後略
抄訳終わり
これより私見です。
まずは以下のリンク記事からスティール文書の歴史をまとめてみます。
https://www.vox.com/2018/1/5/16845704/steele-dossier-russia-trump
スティール文書は、ヒラリー選挙対策事務所と民主党本部の代理人を務めている法律事務所パーキンズ・コーイーを通じて雇われた反対調査会社(注:選挙で対立候補のネガティブな情報を収集することを生業とする会社)フュージョンGPSが英国の元スパイ、クリストファー・スティールを雇って書かせたものです。
この文書の情報は2016年の秋から出回り始め、2016年10月31日にマザージョーンズ誌のデイヴィッド・コーン氏によってその存在が明らかにされました。
そして、トランプ氏に敵対的なオンラインメディア、バズフィードによって、2017年1月10日に出版されたのです。
この文書を通じて、トランプ氏のロシア共謀疑惑が大々的に報じられることとなり、2017年5月17日にこのトランプーロシア共謀疑惑を捜査する特別検察官として、司法副長官ロッド・ローゼンスタインにより、元FBI長官ロバート・ミュラーが任命されました。
で、このスティール文書を根拠にFBIは外国情報監視裁判所に、トランプ選挙対策本部長カーター・ペイジ氏の捜査令状を請求していますが、一部非開示の捜査令状請求書によると、最初にカーター・ペイジ氏の捜査令状が請求されたのが2016年10月なのが分かります。
https://www.lawfareblog.com/what-make-carter-page-fisa-applications
これらのことから分かるのは、
①まだその存在が噂の段階に過ぎなかった時点で、FBIはスティール文書を使ってカーター・ペイジの捜査令状を請求したこと。
②2017年1月までにFBIはこのスティール文書が真実を語っているのかどうか疑問に思っていたこと。
③少なくとも、コーヘンがプラハを訪れたと記述していたスティール文書中の記述は嘘だったということ。
です。
元CIAのホフマン氏はこのスティール文書が、米国の分断をもたらすためのロシアの情報攪乱作戦だと述べていますが、証拠不十分であり、これは信じるか信じないかの世界です。
逆に、CIAの情報攪乱の可能性もあります。
ただし、トランプ大統領の登場により、米国民が二つに分断されているのは事実です。
カバールは情報操作により国と国、同一国の国民同士を対立させ、争いを起こさせるという戦略を昔から採ってきました。
こういう策略に乗らないように、事実は事実として受け止め、感情的にならないようにしてください。
相手が闇なのではなく、相手が闇だと思うあなたの心の中の戦争状態こそ本当の闇の本質なのです。