「良いお金、悪いお金」~お金の常識について~
「悪銭身につかず」と言います。
しかし、こんな諺を持ち出さなくても、悪いお金という考え方が昔からあるのはご存知のとおりです。
では、「悪いお金」って一体なんでしょう。
ただ貯めたり、あるいはお金そのものを増やすことだけを目的とするようなお金は「悪いお金」と言えます。
あれ?でもこれって世間の常識とは少し違います。
不測の事態に備えて貯金するのはいいことだし、どうせ貯金するなら利回りのいい何かの手段で運用するのは今時、常識なんでは?
と思ったあなたは、ある意味常識人かもしれません。でも常識は疑うものです。
私たちがこの世に生まれてきたのは成長するためです。
そして、成長するための課題である「不測の事態」をお金で解決してしまっては、いつまでたっても成長できません。
また、成長のためには経験が必要です。経験には時間が必要です。貴重な時間を株式相場とにらめっこしていたら・・・、やっぱり成長の機会を逃していることになります。
いや「株式投資でも人間的に成長するよ」とか、「お金をためる能力も、なんでも金で解決する能力も、磨けばそれも成長でしょ?」
という意見はもちろん否定しません。しかしそれは比較の問題であり相対的な話です。
どちらがより成長するか?ということです。
そう、人間にとって「良いこと」とは何かの答えは「成長」です。成長は進化と言ってもいいかもしれません。
反対は停滞、または退化です。(厳密には退化はありませんが)
そしてそれが「悪いこと」なのです。「悪いこと」に使われるのが「悪いお金」ということになります。
最近、サラリーマンが「社畜」と自嘲気味に自らを称しています。
人間の本質は動物に例えると家畜ではなく野生動物です。
おとなしく檻の中に入っていればとりあえず食っていけるのが「家畜」だとすると、自分で食料をゲットしないと、飢え死にしてしまうかもしれない、頑張らないと明日をも知れないのが「野生動物」です。
想像してみてください。野山を自由に駆け回っている姿と、家でパソコンとにらめっこしている姿。
生き物として、より生命が輝いている状態は、野山を駆け回っているほうだと思いませんか?
お金は私たちが世の中を自由に探検して、成長するためのゲームのチケットとして作られました。
それを必要以上に集積して、かつ、その力を利用して他人を支配する、なんて本来の目的に背いていますよね。
そんなことを一体誰がやらせているのでしょう?
答えはご存知ですよね、そしてその人たちが今の世の中の「常識」を作っているのです。
常識は疑うものです。