希野正幸のインフォブログ

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現代の奴隷制を破壊する、シュタイナー教育が100周年を迎えます

みなさん、奴隷というと何を思い浮かべますでしょうか。

おそらく、足に付けられた鉄の輪っかに鎖がついていて、その先には砲丸のような鉄の玉がついて身動きがとれない、という絵かもしれません。

アメリカではその後、時代が進むにつれて、そういった鎖のような物理的な制約ではなく、肌の色で差別するという文化が発達していったのはだれもが知るところです。そしてそれは、現代でも人種差別という形で根強く残っています。

しかし鎖にしても肌の色にしても、目に見える形の制度や差別は、ある意味、非常にわかりやすいですが、現代では目に見えない支配や差別が、目に見えていた時よりも深刻な状態にあるとも言えるのではないでしょうか。

それは、子供のころから、非常に狭いある一定の考え方に沿って教育・評価されることで、そこから逸脱することに対して自己抑制を働かせるような刷り込みを行い、大人になった時にその枠組みに半ば無抵抗に従う、ロボットのような人間を養成する教育カリキュラムによって形成されていると言えます。

簡単に言うと、テストによる評価を基本にした教育がそれを行っている、ということになります。

テストというのは、あらかじめ決められた答えを出さなかった場合、それを評価しないことで、テストを受けるものに一定の考え方を強制するシステムです。

学生時代に学校でさんざんその習慣を叩き込まれ、卒業するころには人から評価される前に自分の行動を自己採点するようにまで洗脳が完成し、その結果極端な話、あらかじめ決められたルールに沿ってしか生きていけないような人間が出来上がります。

そしてそのあらかじめ決められたルールというのが、為政者に都合の良い、決して権力に逆らわないルールであれば、支配する側にとっては、昔の奴隷の足にはめられていた鉄の輪っかなどより、もっと強力な隷従の手段となりうるのではないでしょうか。

それが目にも見えず、意識もされなければ、まさにリアル・マトリックスの世界と言っても言い過ぎではありません。

しかし、人間の能力というのは素晴らしいもので、そういった現代の奴隷制育成プログラムが、ここにきて崩壊の危機に瀕してきています。

世間では学級崩壊とか、社会的引きこもりのような、既存のシステムを否定するような問題が増えきたた結果、教育手法や企業の運営に大きな影響を与えるようになってきています。

黙々と学歴社会のレールに乗って就職し、おとなしく社畜として働き、文句を言わずに税金を納めるような人間が、為政者に極めて都合が良いということを考えると、学級崩壊とか社会的引きこもりは、奴隷制度から自由になろうとする正常な人間の営みではないかとも思えます。

そして既存のシステムの運営を単にサボタージュするだけでなく、積極的に変革するような試みも行われています。

あの「サイババが帰って来るよ」でおなじみの、ポニョさんも紹介していたシュタイナー教育もその一つと言えるのではないでしょうか。

そのシュタイナー教育が今年で100周年を迎えるそうです。

100年前にシュタイナーが提唱して始まった束縛から自由になるための教育を、これを機にぜひ皆さんにも知っていただければ幸いです。
 

シュタイナー教育100周年「世界がかわる学び」 (日本シュタイナー学校協会)