ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝47 ― 政府紙幣グリーンバックス
これは1971年、ニクソンショックでドルの金本位制の放棄、一方的に金との兌換をドルが放棄した宣言のアナウンスでした。幼い私は何となくかっこよく正しいと思ったのですが、無論このアナウンスは真っ赤なウソです。
ドルを発行するのはこの時も現在も100%私有銀行のFRBであり、政府ではないからです。FRBはお得意の「パクリ」「成りすまし」で、ドルと金との兌換、これの一方的放棄を正当化してアナウンスさせたのです。何を「パクリ」「成りすまし」たのか?
南北戦争中、1862年からリンカーン政府はグリーンバックスと呼ばれる政府紙幣を発行しました。グリーンバックスは金や銀の担保を不要とする不換紙幣で、国家に対する信用のみをその紙幣の担保としたのです。
この政府紙幣発行の仕組みを「パクリ」通貨発行の政府機関に「成りすました」のがFRBだったのです。実は、政府紙幣グリーンバックスの発行を一斉に総攻撃し、葬った銀行家の血族たちこそがFRBの所有者になっているのです。
グリーンバックスにならい、国々が政府紙幣を発行する事態は、信用創造で通貨発行権を独占してきた銀行家の破滅を意味します。だからロスチャイルドたち国際銀行家は、自分たちが政府紙幣グリーンバックスの発行を一斉に総攻撃し葬った上で、政府紙幣発行機関に「成りすまし」たのです。裏返すと銀行家のついてきたウソと正体がバレルと彼らは破滅します。「借金奴隷」が解放されるからです。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
「黒人奴隷解放」を否定していたリンカーン
南北戦争の目的、並びにリンカーンがなした偉業が「黒人奴隷解放」というイメージが強いように思えます。しかし、実際にはリンカーンは、大統領として「黒人奴隷解放」を目的にしていたわけでは全くありません。むしろ「黒人奴隷解放」を初期には否定していたのです。
ウィキペディアの「エイブラハム・リンカーン」の記事によると、1861年3月の大統領就任演説の中で彼は次のような宣言もしています。
リンカーンの妻メアリの生家の家系は、奴隷所有者もしくは奴隷売買をしていたのです。ウィキペディアの同記事にあるように、リンカーンの「奴隷解放」は南北戦争の戦局を優位にするためのもので、成り行き上のものでしかありません。
さて、「黒人奴隷解放」ではなく南北戦争で起きたこと、並びにリンカーンが行ったことで最も重要な事柄があります。グリーンバックスと呼ばれる政府通貨を発行したことです。アメリカ史を見るうえで絶対に欠かしてはならない視点は「通貨発行権」です。アメリカの歴史は通貨をめぐる暗闘の歴史でもあったのです。
外伝31の「アメリカ革命戦争の真因 ~奪われた通貨発行権」欄等で見たように、そもそもアメリカの革命戦争の真因は、通貨発行権を東インド会社(イングランド銀行)の所有者たちに奪われたことです。アメリカ植民地はコロニアル・スクリプという植民地独自紙幣の発行によって大いに繁栄していたのです。
しかしその「植民券」発行権が、1764年の「通貨法」の制定で奪われ植民地は大不況となったのです。これがアメリカの独立と通貨発行権をめぐる暗闘の歴史の始まりです。
米側は革命戦争の戦闘に勝利し、形の上ではアメリカは独立しますが、1791年にはロスチャイルドは自らが支配する中央銀行である第一合衆国銀行を設立し、アメリカの通貨発行権を掌握します。これをトーマス・ジェファーソンの働きで第一合衆国銀行を廃止。
しかし米英戦争を仕掛けられ、第二合衆国銀行を設立させられます。ところがこの中央銀行も、アンドリュー・ジャクソンによって1836年に廃止させたのです。
この流れの中でリンカーンが登場し、南北戦争が起きたのです。アメリカをめぐる歴史視点からすれば、政府紙幣のグリーンバックス発行ほど南北戦争とリンカーンの業績の中で重要なものはないのです。
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グリーンバックスの発行 ~北軍を勝利に導く
戦争には莫大な戦費が必要です。ロスチャイルドは南軍・北軍共に代理人を通じ融資していた模様ですが、新たな資金を必要としたリンカーンに対する融資として年利24~36%の高利を欲求。リンカーンはこの融資を拒否します。
この資金難の中、政府紙幣が発行される模様を『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』p76-77で以下のように記しています。
リンカーン大統領はアメリカ国民がこの新しい通貨を受け入れてくれるかどうかを尋ねるとテイラーは「ほかに選択肢がないのです。政府が新しい通貨に法的効力をもたせれば、本当のお金と同じように使えます。憲法は議会に貨幣の発行と価値を設定する権利を与えています」と答えた。
南北戦争中に連邦政府が発行した紙幣は4.5億ドル、この政府紙幣の発行によってリンカーンは戦費問題を解消。そしてそれだけなく、北部州の各産業と貿易も、政府紙幣という新たな金融の後押しを受けて活性をもよおしたのです。ロシア皇帝アレクサンドル2世の援助もありましたが、グリーンバックスが北軍勝利の基礎となったのです。
一方、銀行の「信用創造権」で国家の「通貨発行権」を独占していたロスチャイルドを筆頭にする国際銀行家にとっては、この政府紙幣発行は自らの命運を断ち切るメガトン級の作用があります。政府紙幣が発行されれば、銀行が貸し出しによって通貨を発行する「信用創造の仕組み」が破壊されるからです。
(前略)
銀行家の命運を断つ政府紙幣 ~「借金奴隷」解放の道筋
グリーンバックスが実際に発行されるのは1862年からですが、その話を聞きつけていたロスチャイルドたちは一斉攻撃に移ります。
このロスチャイルドたち銀行家の姿勢に呼応し、連邦政府の破壊を訴えるロスチャイルド子飼いのマスコミの声明は興味深いものでした。「ロンドン・タイムズ」紙は次の声明を発表したのです。
そうなれば世界の文明社会の歴史の中で前例がないほど裕福な政府となる。あらゆる国々の富と頭脳が北アメリカに向かうだろう。こんな政府は破壊しなくてはならない。さもなくば、地球上のすべての君主国が破壊されることになるだろう。」
この「ロンドン・タイムズ」紙の声明記事は、国家が政府紙幣を発行すれば、必要な資金はすべて調達できて、その国家は世界の誰もが憧れる幸福で裕福な国家となることを明らかにしています。その上でだからこそ、政府紙幣を発行する国家は「破壊されなければならない。」としているのです。
英国はいうまでもなく君主国ですが、彼らが記事を通して政府紙幣で破壊されるとした「地球上すべての君主国」の本当の君主はロスチャイルドたち国際銀行家です。
銀行家は通貨と情報の支配で世界を支配するヴァイシャ革命、つまり国家や民衆をウソで「借金奴隷」に化することで世界支配権を握ってきたのです。
ところが銀行の信用創造ではなく、政府が公的にその信用で通貨を発行したならば、銀行家の通貨支配は崩壊し、情報支配、つまり彼らのウソも世界民衆にばれてしまいます。
リンカーンの実行したグリーンバックスの発行は「借金奴隷解放」の道筋を示すものだったのです。命脈を守るため銀行家はグリーンバックス発行に対して総攻撃を加えたのです。
南北戦争で起きたリンカーンが成した最大の事柄は「黒人奴隷解放」などではなく、グリーンバックスの発行で国家と民衆の「借金奴隷」からの「解放」の道筋を示したことなのです。