希野正幸のインフォブログ

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IS壊滅秒読みか? シリアに残るIS残党を巡る動き

 最近の海外の報道を見ているといよいよISもチェックメイトかと思わせる動きを見せていますので、海外における様々な報道を時系列で追って簡単に解説してみたいと思います。

 

 

元記事1はこちら(報道は2/18)

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/iraq-anbar-syria-baghouz-isis.html

 

ほんのちょい抄訳

 

 シリア側のBaghouzに今もなお残る数平方マイルのISの領土での戦闘の最中に、イラク安全保障軍は、ISの領土への侵入を防ぐために軍勢を強化した。

 

抄訳終わり

 

 以下にBaghouzの位置を示します。

 

 

 ここがISに残された最後の領土で、ISは現在、シリアのクルド人勢力によって包囲されていて、攻撃を受けている最中です。

 

 イラク政府はISのシリアからの逃亡に備えて国境警備を強化し、ISのイラクへの退路を断ったわけです。

  

元記事2はこちら(報道は2/22)

https://www.newsweek.com/isis-foreign-fighters-could-be-sent-guantanamo-trump-administration-suggests-1340594?piano_t=1

 

ほんのちょい抄訳

 

 トランプ政権はISのリーダーたちを、シリアの戦場から隔離するオプションとして、彼らをグアンタナモに収容することが可能であると示唆した。外国人の850人程度のISの戦闘員がシリア国内で米国の同盟軍によって収監されている。

 

抄訳終わり

 

 この記事からは、トランプ政権がISの終わりが近いことを察知して、最終的に一網打尽にされたIS戦闘員のうち、放免するとまたテロリストとして活動しそうな危険分子をグアンタナモに収容してしまおうと意図していることが読み取れます。米国は既にポストIS後を見据えているということです。

  

元記事3はこちら(報道は2/22)

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/pentagon-reassure-kurdish-allies-syria-pullout-confusion.html

 

ほんのちょい抄訳


 大統領府報道官サラ・サンダースは木曜日、米国はシリアに一定期間200人の平和維持軍を維持すると声明を発表した。政府は本日、その人数を400名にまで引き上げた。国防総省は、米軍はイラク国境の訓練施設があるal-Tanfとシリア北東部の間に展開し、トルコ軍の攻撃からクルド人勢力のシリア民主化軍(SDF)を守ると述べた。

 

抄訳終わり

 

 この記事からは、米国政府が既にIS壊滅後のことを見据えていることを示唆しています。IS壊滅後は、クルド人勢力と対立しているトルコがシリアに展開しているクルド人勢力に攻撃を仕掛ける可能性が高いので、これを阻止するために、ごく少数の米軍をシリア国内に一定期間残すことをトランプ大統領が決断したということです。もう、IS壊滅は既定路線になっているということです。

  

元記事4はこちら(報道は2/27)

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/turkey-syria-idlib-rebels-alert-on-against-is-infiltrations.html

 

ほんのちょい抄訳


 シリア民主化軍の司令官Deir ez-Zorは、Baghouzの包囲攻撃の最中に、ロシアのスプートニクに対し、ISは退路を絶たれて、我々にトルコ国境に向けてイドリブに行かせてくれるよう提案してきたが、我々はこの要求を拒絶した。」と、述べた。

 

抄訳終わり

 

 この記事から、クルド人を中心としたシリア民主化軍がISの最後の拠点Baghouzを包囲しており、逃げ道を失ったISがイドリブ経由でトルコに逃げ込むことを懇願していて、これを拒否されていることが分かります。ISはもう、風前の灯火状態です。

  

元記事5はこちら(報道は3/1)

https://www.al-monitor.com/pulse/originals/2019/02/turkey-syria-isis-militants-try-to-infiltrate-turkish-border.html

 

ほんのちょい抄訳


 シリア東部Baghouzでの最後の抵抗の一方で、ISは領土支配権を失う最後に至った。トルコは敗走する軍勢の退路を断つべく、国境警備を強化した。

 

抄訳終わり

 

 トルコ政府もISがもう終焉を迎えると予想していて、トルコ国境の警備を強化しました。先に記事で触れたようにイラクも国境警備を図っていますので、ISはシリア国内で袋の鼠となっているということです。

  

元記事6はこちら(報道は3/2)

https://www.france24.com/en/20190302-syria-sdf-islamic-state-group-baghouz

 

ほんのちょい抄訳

 

 シリア民主化軍の報道官Adnan Afrinは、「我々はこの戦闘が不測の事態が起きなければ1~3週間のうちに終わると考えている。」と述べた。

 「今になっても降伏していない連中はここで彼らの運命を終えることになるだろう。」

 

抄訳終わり

 

 ISの命運も今月中に尽きるということです。

 

 シリアでのISの現状については、トランプ大統領とその他の勢力、つまり、マティスさんを含むペンタゴン勢力と民主党で真っ向対立していましたが、トランプ大統領の情勢分析の方が正しかったようです。

 

 恐らく、トランプさんはマティスさんもペンタゴンもポンペオもボルトン民主党も繋がっていない特殊ルートからシリア情勢の報告を受けているようです。

  

で、最後の記事です(報道は3/3)

https://www.thegatewaypundit.com/2019/03/video-hundreds-of-isis-terrorists-surrender-to-trump-usa-backed-forces-in-syria/

 

 最後はゲイトウェイプンディットの記事というか動画で、数百人のIS戦闘員がシリアでトランプ大統領の米国の支援を受けた軍勢に降伏したというものです。

 

 でも、最初の写真がもろに安っぽいCGで、投降したとされる中央の兵士の顔の向こう側に背景の地平線が透けて見えていて・・・・。

 

 他の報道機関もこのことは報道していないですし、どうも信用なりません。

 

 本当に投降したならば、シリアやトルコの報道機関が報道しているはずですが、その兆候は見られません。

 

 事の真偽が判明するのはもう少し待たなければならないようです。

 

 しかし、もう、ISがチェックメイトなのは間違いないところです。

  

 あとですね~。

 

 ゲイトウェイプンディットが始めたクリントン財団糾弾の連載記事なのですが、確たる証拠もなく強引に論を展開し出した感があるので、もう、お知らせする価値なしと判断して私の方でも翻訳は終了させていただきます。