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シリアから米軍を撤退させるためにトランプはこの1年間将軍らとの戦いを続けてきた

少々、古い記事ですが、トランプ大統領と軍部との対決を取り上げた記事の翻訳です。(^_^)

 



 
シリアから米軍を撤退させるためにトランプはこの1年間将軍らとの戦いを続けてきた
2018年12月28日
 

副題: 他の大統領たちに対して行ったのとまったく同様に、トランプの国家安全保障チームは彼を封じ込めようとした。しかし、彼は連中のはったりにしっぺ返しをしたのである。
 
この50年間で彼は好戦派による封じ込めを許さない初の大統領となった。
 
大手メディアは、シリアから米軍を撤退させるというトランプ大統領の決断は衝動的で、彼の国家安全保障チームに不意打ちを食らわすものだと述べて、大統領を攻撃した。しかしながら、この1年間の政策提案の過程を振り返って、それらの詳細や公開されている説明を検証してみると、まったく違ったトランプ像が浮かび上がって来る。国家安全保障部門の高官らや利己心の旺盛なこれらの組織は、シリアに米軍を恒久的に駐留させるという決断においてトランプが迷うことがないように、何か月間にもわたって極めて複雑な政治ゲームを進めて来たことが分かる。
 
つまり、全体のエピソードを見ると、ベトナム戦争の頃にまで遡るもので、良く知られたパターンではあるのだが、新たな類型が浮かび上がって来る。当時、国家安全保障担当補佐官らは気が進まない大統領に圧力をかけて、戦闘地域ですでに実施されている軍事展開に了解を与えるよう、もしくは、その種の計画に賛同してくれるよう求めたものだ。違いがあるとすれば、それはトランプが違った政策を公に採用し、連中の見え透いた計画を吹き飛ばし、米国に新たな進路を与えようとしたことだ。この動きは恒久的な戦争状態を維持しようとするものではない。
 
トランプ政権の発足以降、トランプと国家安全保障チームとの関係は緊張状態にあった。2017年夏の中頃までには、ジェームズ・マチス国防長官や統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード将軍は米軍の世界的な配備を正当化しようとする自分たちの報告に対してトランプが否定的な反応を示したことから、トランプをひどく警戒するようになっていた。彼らはペンタゴンで統合参謀本部が使用する「タンク」にて公式の報告会を開くことにした (訳注: ペンタゴンの会議室は窓がなく、あたかも戦車の中に居るような印象を受けることから「タンク」と呼ばれている)。
 
マチスとダンフォードとが「過去70年間にわたって平和を維持」して来た「ルールに基づく国際的な民主主義秩序」を讃える賛歌を唄いあげていた時、トランプは信じられないとでもいうように頭を横に振っていた。
 
しかしながら、その年の終わりまでには、マチスとダンフォードおよびマイク・ポンぺオ国務長官らは米軍はイスラム国の武装兵力を駆逐するだけではなく、シリアの北東部を安定化させ、ロシアやイランの支援勢力と均衡を保つ任に当たらせることにトランプの賛同を得ようと努め、これに成功したと信じるようになっていた。しかしながら、米軍をシリアに恒久的に駐留させるという構想をトランプが引き続き嫌っている兆候については彼らは無視した。
 
3月のオハイオでの遊説でトランプは表面上は保険制度改革を喋っていた。しかし、突然、うっかりと「われわれはシリアから撤退する。直ぐにだ。シリアは他国に任せておけばいい。直ぐにでも撤退する」と口走った。
 
その後、2018年4月の始めには、シリアに関しては担当補佐官に対するトランプの忍耐心が尽きて、国家安全保障会議での大きな対立へと発展して行った。同会議でトランプは基本的にまったく異なる政策を彼らが明確に受け入れるよう命じたのである。
 
トランプは米国はシリアへの介入を終わらせ、もっと広義には、中東に対する介入を収束させなければならないとする彼自身の公の持論を引っ提げて、会議を開催した。すでに報じられているAP電の説明によると、米国はその努力の割には「何の利益」も得ていないと彼は繰り返して議論を展開している。これはその会議に出席していた政府幹部とのインタビューで入手した説明である。ダンフォードがトランプに大統領が望んでいることを明確に言って欲しいと迫ると、トランプは米軍を直ちに撤退させ、シリアの「安定化」プログラムには終止符を打ちたいと述べたのである。
 
マチスはシリアからの即時撤退を責任のある状態で実施することは不可能だ、イスラム国が舞い戻って来る危険性があり、米国の国益に反する目標を持ったロシアやイラン、トルコの手中に陥るようなものだと述べて、反論した。
 
トランプは、既報の如く、折れて、こう言った。「イスラム国を撲滅するには5~6カ月の時間をやろう」と。しかし、10月に彼の元へやって来て、ISISを壊滅することは出来なかったので、シリアに居残るとは言わせないと念を押して、キッパリと指示をした。彼の担当補佐官らが米国が責任のある形で撤退することは不可能だと改めて言うと、トランプは「任務を遂行するだけだ」と彼らに告げた。
 
トランプの国家安全保障チームは会議のために注意深く準備をし、彼の関心を明確な撤退予定の議論からは遠ざけようとした。彼らは撤退予定に関する具体的な選択肢を省いた書類を持参した。その代わりに、AP電の詳しい報告が伝えているように、彼らは即時撤退か、あるいは、イスラム国を完全に、しかも、恒久的に排除するために必要な恒久的な駐留をとるかという二者択一の案を示した。撤退案はISISが舞い戻って来る危険性があり、勢力の真空地帯を生ぜしめ、そこへロシアやイランが居座るだろうとの予測を示した。
 
このような二者択一の戦略は、政府関係者によると、かってはうまく行ったものだ。このことは2018年の前半にトランプが何か月にもわたってシリアに関しては沈黙を保っていた事実を説明している。その頃、当時の国務長官であったレックス・ティラーソンやマチスは長期間にわたる駐留を実現するための詳細な議論を進めていた。
 
このアプローチが上手く行ったもうひとつの理由はトランプがバラク・オバマアフガニスタンからの撤退に関してペンタゴンに予定を示していたことを大問題として扱ったことにある。その結果、彼はシリアからの撤退予定に関して公に同様な要求をすることには消極的になっていた。CNNが報じているように、この会議において簡潔な説明を受けた国防省の高官は「何らかの予定が議論されたという事実はきっぱりと否定した。」 さらに、同高官は「マチスは撤退の選択肢を練り上げる指示は受けなかった・・・」と断言している。米統合参謀本部のケネス・マッケンジー中将は記者たちに次のように述べた。「大統領はわれわれに具体的な予定を求めなかった。実際問題として、これは実に好ましいことだ。」 
 
それでもなお、予定を言及することもなく、ホワイトハウスが出した短い声明文はシリアにおける米国の役割は「急速に終わりに近づいている」と述べている。
 
マチスとダンフォードは大統領が自衛の側に回っていることにつけ込んで、意識的に自分たちの戦略を押し通そうとしたが、それは大統領がそのことに関して公に彼らを招集するまでのことでしかなかった。トランプが言っていた6カ月の期限が来る数週間前に起こったのはまさにそのことだった。トランプの補佐官らは不意を食らったと言っていたが、実に不誠実な言動である。先週起こったことはトランプが4月に述べていた明確な政策をおさらいしただけに過ぎないからだ。
 
シリアからの撤退という仕事は前政権がもたらした永遠の戦争状態に終止符を打つことに関してトランプ政権が基本的な苦境に見舞われていることを物語っている。米国市民の大多数が中東やアフリカに対する米軍の配備は抑制するべきだと希望しているにもかかわらず、トランプの国家安全保障チームは丸っきり逆のことに専念しているのである。
 
トランプは自分と同じ目標を抱く補佐官なしでは外交政策を実施することは事実上不可能であることを今や十分にわきまえている。これは永遠の戦争状態が続いていた間にはこの政治システムの外部に位置し、そのイデオロギーや文化には批判的であったような人物を迎え入れる必要があることを示している。もしもトランプが真の意味で反体制的な人物を重要な地位に抜擢することができるならば、トランプ政権のこれからの2年間に今日われわれがどっぷりと浸かっている永遠の戦争状態を招いた官僚や将軍らを首にすることが可能となるであろう。
 

 「ジェームズ・マチス国防長官や統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード将軍は米軍の世界的な配備を正当化しようとする自分たちの報告に対してトランプが否定的な反応を示したことから、トランプをひどく警戒するようになっていた」
 
この記事ではトランプ大統領が光側で、ジェームズ・マチス国防長官や統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード将軍は闇側という対立の構図になっていますが、当時の他の翻訳記事では彼等二人は光側としてトランプ大統領を支持していたはずです。それにトランプ大統領(光)とハザールマフィア(闇)との戦いという視点での記述がまったくありませんから、もしかしたら闇側のライターによる記事かも知れませんが、でも、それはそれで政治の内幕として結構楽しめる記事です。

(^_^)/
 

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