希野正幸のインフォブログ

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ローリングストーンズ 虹に騙(だま)されて 現実を見据え闇から光へと向かう

 1966年にリリースされたPaint It Black/黒く塗れ!から28年の歳月が流れ、現実から目を逸らし、全てを黒く塗り込めてしまったローリングストーンズは新たな答えを見出しました。
 
 それが1994年にリリースされたアルバムVoodoo Loungeに収められた一曲Blinded by Rainbowsです。
 
 彼らはこう歌っています。
 
Did you ever kiss the child
Who just saw his father shot
 
お前はキスしたことがあるか?
目の前で父親を撃ち殺されたばかりの子供に
 
 ローリングストーンズは現実に目を逸らせることなく現実をしっかりと見つめ、愛をもってしかるべき行動を取るように私たちに訴えています。
 
 愛は語るだけでは成立しません。
 
 行動に移してこそ愛は成立するものなのです。
 
 昨日ご紹介したPaint It Blackではdeeper blueがキーワードとなっていましたが、本日ご紹介するBlinded by Rainbowsではrainbowがキーワードとなっています。
 
 ベトナム戦争において、カバールは国際法を無視し、無差別に一般国民の財産である農作物や森林を破壊する枯葉剤を大量散布してベトナムの国土を荒廃させ、猛毒物質ダイオキシンで汚染させました。
 
 ベトちゃんドクちゃんの悲劇はこの枯葉剤に高濃度で含まれていたダイオキシンのなせる業だったのです。
 
 

https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2018/01/0126.html

 

https://www.env.go.jp/chemi/dioxin/pamph/1999/index.html

 

 
 そして、この枯葉剤には昨日ご紹介したagent blueの他にagent orange、agent whiteなどがありこれらを総称してrainbow herbicides/虹色の除草剤と呼ばれていたのです。
 
 カバールはベトコンゲリラの活動拠点を破壊するという名目で国際法違反の枯葉剤の無差別散布を強硬しました。
 
 この結果たくさんの奇形児がベトナムに生まれることになったのです。
 
 この枯葉剤には高濃度のダイオキシンが含まれていました。
 
 そして、このダイオキシンには高度の発がん性と催奇形性が動物実験で認められています。
 
 しかし、カバールの支配する医学界では人間には実験が行えずデータがないという奇妙な理由で枯葉剤ベトナムで大量発生した奇形児の直接的原因と認めていないのです。
 
 このように現実から目を逸らし、事実を捻じ曲げようとする人々への警鐘としてこの歌を捉え、訳してみました。
 
Youtube動画はこちら
 

Blinded by Rainbows written by Keith Richards and Mick Jagger in 1994

Did you ever feel the pain
That he felt upon the cross
Did you ever feel the knife
Tearing flesh that's oh so soft

Did you ever touch the night
Did you ever count the cost
Do you hide away the fear
Put down paradise as lost

Yeah you're blinded by rainbows
Watching the wind blow
Blinded by rainbows
Do you dream at night
Do you sleep at night
I doubt it

Did you ever feel the blast
As the semtex bomb goes off
Do you ever hear the screams
As the limbs are all torn off
Did you ever kiss the child
Who just saw his father shot
Do you ever she'd a tear
As the war drags on and on

Do you ever touch the night
Or is it just another job
Do you feel the final hours
Put down paradise as lost

Yeah you're blinded by rainbows
And faces in windows
Blinded by rainbows
Do you dream at night
Do you sleep at night
I doubt it

Do you ever fear the night
Could it be the war is lost
Do you fear the final hour
Do you kneel before the cross

Youre blinded by rainbows
And watching the wind blow
Blinded by rainbows
Do you dream at night
Do you scream at night
Do you smell of fear
Is your conscience clear
Are you caked in sweat

Are your clothes all wet
Do you see the light
Is the end in sight
See the face of christ
Enter paradise
I doubt it
 
 
お前は感じたことがあるか?
十字架に磔(はりつけ)にされた時の痛みを
お前は味わったことがあるか?
お前の肉をゆっくりと切り裂くナイフの苦痛を

お前は闇に触れたことがあるか?
お前は損得を考えたことがあるか?
お前は恐怖から逃げるのか?
楽園など失われてしまったと思い込むことによって

そうさ
お前は”虹”に目が眩んでいたのさ
爆風が吹きすさぶ中で
お前は”あの薬の為せる業”に騙されていたのさ
お前が夢を見ているだって?
お前が眠っているだって?
そんなことはないさ

お前は感じたことがあるか?
あの忌まわしい爆弾の爆発を
お前は苦痛に満ちた叫びを聞いたことがあるか?
手足が吹き飛ばされた奴の叫びを
お前はキスしたことがあるか?
目の前で父親を撃ち殺されたばかりの子供に
お前は涙を流すのか?
戦争が全てを引きずっていく時に

お前は闇に触れたことがあるか?
目を逸らすのか?
お前は死に怯えるのか?
楽園など失われてしまったと思い込むことによって

そうさ
お前は”虹”に目が眩んでいたのさ
きれいごとでごまかしていただけさ
お前は”あの薬の為せる業”に騙されていたのさ
お前が夢を見ているだって?
お前が眠っているだって?
そんなことはないさ

お前は闇に怯えたことがあるか?
戦争がなくなることを考えたことがあるか?
お前は死に怯えるのか?
お前は十字架の前に跪(ひざまず)くのか?

お前は”虹”に目が眩んでいたのさ
爆風が吹きすさぶ中で
お前は”あの薬の為せる業”に騙されていたのさ
お前は夢を見ているのか?
お前は眠っているのか?
お前は恐怖を感じているのか?
お前は正気か?
不安で我を失っているのか?

お前の服はずぶ濡れなのか?
お前は光を見ているのか?
それしか見えないのか?
キリストの顔を見てみなよ
天国に行ってみなよ
そんなことできっこないさ

訳 spiritual-light