希野正幸のインフォブログ

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世の中のお金の価値を変える「RV/GCR」について ~その4~

金本位制に移行することで、通貨の位置づけを正しい方向にもっていくことが「RV/GCR(通貨評価換え/世界通貨改革)」の一つの目標だ、というお話を前にしました。

では、なぜ金本位制を採用することが通貨改革につながるのか、ということについて、今回お話ししたいと思います。


金本位制といわれても、なんかわかったようで、やっぱりわからない、という方がほとんどではないでしょうか。

そして金本位制の解説でよく出てくる「だから兌換紙幣がどうたらで不換紙幣がどうのこうの」というところになると、その時点でもう説明が右から左へ、となってしまいます。(笑)

ここではなるべくそうならないように、わかりやすく説明していきたいと思います。


まず「金本位制」という言葉ですが、これはかなり特殊な言葉ということが言えます。

あえてもっと一般的な言葉に言いかえるとすると「物本位制」といったほうが、その本来の性質をよく表していると思います。

そして「金」も「物」の一種であると考えれば「金本位制」は「物本位制」の一種と言えます。

つまり「物本位制」は「物々交換経済での通貨のしくみ」と言い換えることもできます。


よく「経済の基本は物々交換」などと言われます。

もちろん「物々交換が基本だからみんな従おう」などと言われても、実際にはいろいろ問題が発生してしまいます。


たとえば、ある人がショートケーキをチーズケーキと交換しようとしました。

一番簡単なのは同じ大きさでの交換ですが、それではチーズケーキが不利になってしまうのは明らかです。

となると材料の値段とか作る手間とかいろいろ考えて、最後にそれぞれ納得する大きさでの交換になります。

でもここで、お金があるともっと便利ですよね。

仮にショートケーキが一切れ300円で、チーズケーキ1切れ400円だったとしても、ショートケーキの人がチーズケーキの人に、ケーキと一緒に100円玉を払えば問題解決です。

しかしここで細かいことをいうと

「物々交換の話をしている時に100円玉が出てきちゃったらダメだろ、しかも値段まで付けちゃってるし!」

となってしまいます。(笑)


でも「いいんですっ!!」 (古っ! いや、カビラさんすみません(笑))

脱線しました。でも本当にそれでもいいんです。

なぜなら先ほど「経済の基本は物々交換」とは言いましたが「経済は全て物々交換」とは言っていないからです。

ちょっと詭弁に聞こえます。でも、ここはよく間違えるところなので、そこをあえて強調させていただきたいと思います。

つまり、あくまで物々交換が「基本」の経済なのであって、そこにはお金があっても全然問題ないのです。

それにお金がないと、ケーキの例を出すまでもなく、日常生活にも支障をきたしてしまいます。


しかし、そうなるとまたわからなくなります。

「じゃあ、わざわざ金本位制とか面倒くさいことを言わなくても、今のままでいいじゃん」となりますよね。

でも、わざわざ面倒くさいことを言っているのにはそれなりの理由があるのです。

その理由とは「今の経済が物々交換の基本から大きくはずれている」からなのです。


ではなぜ、今の経済が基本からはずれているのでしょうか?

そのことをお話しする前にまず「物々交換の基本」について、ご説明したいと思います。

物々交換には重要な決まりがあります。それは「等価交換」が原則ということです。

ん?どこかで聞いたことばです。

そう、土地を持っている人がその土地にマンションを建てるときに、土地を提供する代わりに土地と同じ価値の建物部分をもらうことで、お金を払わず建築できる、というあれです。

つまり物と物を交換するときには、価値が同じということが重要なわけです。

上で出てきたショートケーキとチーズケーキの場合でもそうでしたし、普通に感覚的にもそうですよね。


では紙幣と物の交換の場合、つまり、お金で物を買う場合はどうでしょうか。

紙幣というのは、実はあるものと交換できることが前提になっています。

そう、それが「金」です。そして「金」とお金を交換できる前提を作っているのが「金本位制」です。

つまり、紙幣が「金」と交換できるということは「お金を払って物を買う」のは「金と物を交換している」のとまったく同じ、ということになります。

そして一番初めにご説明したように「金」も「物」の一種であると考えれば、結果的に「物と物」を交換していることと同じなので、ちゃんと「物々交換」になっていることがわかります。


それでここで重要なってくるのが、紙幣と金が交換できるという「前提」です。


なぜならこの「前提」が崩れてしまうと「もはや物々交換ではなくなる」からです。

そして、今の世の中はこの「前提」を思いっきり崩してしまっています。

だから「今の経済は物々交換の基本から大きくはずれている」ということになるのです。


その「前提」を崩しているのが、前にお話しした「信用創造」なのです。


信用創造によって今の世の中は、もともとの「金」の量に対して約100倍くらいのお金が出回っている状況です。

つまり、物々交換にあてはめた場合、物と紙幣を交換することは、実際には1/100の物としか交換していないのと同じになってしまうのです。


これがインテルなどでよく言われている「信用創造詐欺」です。


これがなぜ詐欺なのかというのは、今、仮にここで、いったん世の中をすべてリセットしてみればよくわかります。

リセットして全てのお金を「金」に替えたとしましょう、すると先ほどのケーキの交換ではどういう結果になるでしょうか。

チーズケーキを持っていた人は、100円玉が100円分の「金」と交換できるからこそ、ショートケーキと100円玉で交換することに納得しました。

しかし、実際にリセットしてみたら、貰えたのがショートケーキと1円分の「金」だった、ということになったら話が違うと怒ってしまうでしょう。

400円の物と301円の物を交換してしまったのだから「差額の99円を損した」ということになり、それこそ詐欺の被害にあったのと同じです。

しかし、この詐欺はリセットしなければ最後までわからない、というところが"みそ"なのです。

でも実際に世の中をすべてリセットすることなんて不可能ですよね。だからこそこの詐欺がばれないで、今の状態を維持していけているのです。

でもさすがに本当の価値が1/100しかなくなってしまうような状態までくると、徐々にほころびが出てきます。

それが、この間お話ししたデフォルトという現象で現れたりします。デフォルトとは実は「部分的に信用創造詐欺の嘘がばれて、お金に価値がないということがわかってしまった状態」と考えていただけるとわかりやすいと思います。

逆に言うと、金本位制が機能している世界は、世の中をすべてリセットしたときに100円玉が100円の「金」になって帰ってくるようになっている世界ということになります。

そして、それこそが「経済の基本は物々交換」ということを実現している世界なのです。

つまり「RV/GCR(通貨の再評価/世界通貨改革)」とは、通貨改革によって金本位制をちゃんと機能させることで、紙幣の価値を正常に戻し「経済の基本である物々交換が正常に行われる世界」を実現することである、と言えます。