希野正幸のインフォブログ

興味を持った情報を選んで発信しています。

米聖職者300人が子供1000人超を性的虐待、隠蔽

 【ニューヨーク國枝すみれ】

米東部ペンシルベニア州のシャピーロ司法長官は14日、同州のカトリック教会の聖職者約300人が約60年前から1000人以上の子供に性的虐待をし、組織的に隠蔽(いんぺい)していたと発表した。実際の被害者数が数千人規模に達する可能性もあるという。

 シャピーロ長官は「教会は長い間、小児性愛者を守ってきた」と組織的隠蔽を批判。加害者300人の実名リストを公表した。大半のケースはすでに時効を迎えている。

 司法当局は、数年かけて被害者から証言を集め、教会が保存していた内部資料とも照らし合わせて被害を裏付けた。

 カトリック教会の聖職者による未成年者への性的虐待と隠蔽問題は、2002年のボストン・グローブ紙の調査報道で初めて公となった。その後、全米各地で聖職者に対する告発が急増した。(共同)

 

ペンシルベニア州最高裁判所は14日、
同州のカトリック教会で起きた神父による少年少女への性的虐待についての大陪審の調査報告書を公表した。
報告書には虐待を行っていた神父300人以上の実名リストも盛り込まれた。
教会側の隠蔽(いんぺい)工作についても指摘している。

カトリック教会では、世界各地で神父による性的虐待が表面化し、大きなスキャンダルになっている。
国際的な問題となった発端は、米東部マサチューセッツ州ボストンでの性的虐待の実態が2002年に報じられたことだった。

 
陪審は同州内の8教区を対象に2年かけて50万ページの教会内部文書を調べたほか、関係者への聞き取りなどを行った。
過去70年以上にわたって神父400人以上の関与が浮上、うち虐待の証拠がそろった故人も含む300人以上について公表した。

文書から明らかになった被害者は1千人ほどだが、大陪審は実際には数千人に上ると見ている。
被害者の多くは少年だが、中には少女も含まれていたという。
思春期前の年齢の被害者が多かった。
また、教会は虐待の告発を受けても警察に通報せずにいい加減な内部調査で済ませたり、加害者を別の任地に配属したりし、問題が大きくなるのを防いでいた。

陪審は容疑が時効を迎えていない神父2人を起訴したが、ほとんどがすでに時効になっているという。(ニューヨーク=鵜飼啓)