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ノーベル文学賞、今年は見送り=選考機関、性犯罪疑惑で混乱―スウェーデン

時事通信

 【ロンドン時事】ノーベル文学賞の選考機関スウェーデン・アカデミーは4日、今年の文学賞の発表を見合わせると明らかにした。

 アカデミーをめぐっては会員の配偶者による性犯罪疑惑が浮上し、ダニウス事務局長ら会員が相次ぎ辞任する混乱に揺れている。「1901年の第1回文学賞以来最悪」とされる「信頼への危機」(オルソン暫定事務局長)に陥っており、受賞者選考は困難とみられていた。

 アカデミーは「2018年の受賞者は19年の受賞者発表と同時に行いたいと考えている」と表明した。文学賞は1950年にも、米作家ウィリアム・フォークナーと英哲学者・批評家バートランド・ラッセルに対し2年分の授賞が同時発表されたことがある。しかし、今回はアカデミーの基盤が揺らぐ中で延期する異常事態で、各界に大きな衝撃をもたらしそうだ。

 オルソン氏は声明で「受賞者を発表する前に、アカデミーは時間をかけた信頼回復が必要だ」と強調。平和賞などノーベル賞の総元締めのノーベル財団も声明を出し「問題はあまりに深刻で、受賞者選考への信頼が失われている」と指摘した。ただ「今回の危機は賞全体に悪影響を及ぼしたが、文学賞以外の発表には影響しない」と訴えた。

 疑惑は昨年11月、スウェーデン紙の報道で浮上。アカデミーの女性会員(今年4月に辞任)の夫でフランス出身の芸術家ジャンクロード・アルノー氏に対し女性18人が性犯罪被害などを告発した。

 英紙によると、女性会員を辞めさせるかどうかをめぐりアカデミー内部で対立が深刻化。事務局長だったダニウス氏が辞任に追い込まれ、他の会員も次々と辞めた。今回の騒ぎとは別の理由でボイコットを続ける会員もいて、定員18人のアカデミー会員は事実上10人まで減り機能停止状態になっていた。